この記事は、6/7(日) 8:02配信 FRIDAYのweb用記事を多くの人に知っていただくため、
そのままお伝えします。
緊急事態宣言解除を3日後に控えた5月22日、小池百合子都知事(67)は五輪代表選手の練習施設『ナショナルトレーニングセンター』に言及。早期に再開したいと述べた。だが、現実は甘くない。
目次
新型コロナウイルスの感染が収束しない限り、東京五輪の開催はありえない
五輪の準備作業を統括するIOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長は5月21日付の豪紙『オーストラリアン』で「新型コロナウイルスの感染が収束しない限り、東京五輪の開催はありえない」と警告。今年10月ごろに開催可否を判断する、とクギを刺した。
感染者170万人、死者10万人を出しているアメリカの見立てはさらに厳しい。本誌は米政府との繋がりをバックに世界展開している大手旅行会社のマル秘レポートを入手。そこには、こんな一文があった。
「東京五輪は中止が決定している」
その根拠は以下の通りだ。
●多くの国が代表選手の再選考のための大会を開催する余裕も時間もない
●’21年は各国、財政の建て直しが最優先
●ワクチンができたとしても、世界中に行き渡るだけの量を確保することは困難。注射器や瓶の確保も間に合わない
●アフリカや中南米などの医療後進国はまだ第1波の真っ只中で収束が見えない
こうした事情を勘案し、件(くだん)の企業は「東京五輪関連の予約をすべてキャンセルした」とレポートを結んでいた。
ちなみにこの企業は、今年、五輪延期が発表される数週間前にも同様のレポートを作成。いち早く対策を練っていた。
米スポーツ専門誌ウォルシュ記者も「五輪中止」を否定しない
米スポーツ専門誌『スポーツ・イラストレイテッド』のクリストファー・ウォルシュ記者も「五輪中止」を否定しない。
「強行開催したとして、無観客に近い形になるでしょう。そんな大会に莫大な資金を出すスポンサーがどれだけいるのか。実際、新型コロナで多くの選手が企業のサポートを失っています。練習環境に不平等が生じているのもフェアではない。これらの理由で、複数のIOC関係者が『中止すべき』と主張しています」
長年、アメリカの代表選手や関係者の移動を担ってきたスポンサー企業のひとつ、ユナイテッド航空は1月~3月の決算で1800億円もの赤字を計上した。
「延期を受けて各スポンサー企業は再契約を迫られていますが、難航しています。大減益のなか、ビジネスとしての旨味も宣伝効果も薄い東京五輪にカネを出す意味を測りかねているのです。中止になってほしい、というのがホンネでしょう」(在米ジャーナリストの伊吹太歩氏)
「五輪ファースト」は日本だけなのだ。
『FRIDAY』2020年6月12日号より