カルロス・ゴーン被告は、保釈中でありながら日本を脱出してレバノンに入国しました。
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記者会見で何をしゃべったか
1月8日に各国の記者を集めて記者会見に臨んだのですが、世界中の人が知りたかった日本からの脱出方法については何も語らず、記者たちをがっかりさせたようです。
では、何をしゃべったのかと言うことですが、ゴーン被告は、(おそらく日本の検察当局への)怒りや不満、嫌みを口にし、ノンストップで2時間半もしゃべり続けたそうです。
スイスからレバノンまで行ったスイスの新聞の男性記者は「どうやって逃亡したのかを聞くためにはるばる来たのに、一切語られず失望した」と不満をあらわにしたそうです。
イスラエル入国罪
ところで、ゴーン被告は本来ならレバノンへの入国は出来ないはずなのですが、なぜ出来たのでしょう。
レバノンには、「イスラエル入国罪」という法律があるそうで、レバノン国籍を持つ人はイスラエルに行ってはいけないそうです。したがって、イスラエルに入国していたゴーン被告は、本来ならレバノンには入国できないはずですが、政治の力かお金の力なんでしょうかねぇ。
しかし、ゴーン被告はイスラエル入国罪で告発されていて、検察当局からも事情聴取が行われるといわれています。
ただ、現状ではゴーン被告はレバノンから日本に送還される見通しは全くないといっていいでしょう。レバノン政府はそう決めているようですから。でも、情勢がどういった変化を起こすか分かりませんから、ゴーン被告も安心は出来ないのではないでしょうか。
ところで、日本からわざわざレバノンに行った多くのメディアは、一部のメディアしか記者会見場に入ることが出来なかったそうです。
ところで、
ゴーン被告の弁護士に懲戒請求
16日、レバノンに逃亡したゴーン被告の弁護人、弘中惇一郎弁護士に対し「故意か重過失により出国させた」として東京弁護士会に懲戒請求が出されていたことが分かりました。
懲戒請求書では弘中弁護士について「保釈中のゴーン被告を故意か重過失により出国させてしまったことは、保釈条件違反であり、その管理監督義務を怠る行為」であると指摘しています。
保釈は弘中弁護士らが逃亡させないことなどを条件に裁判所が許可したものです。
しかし、「結果的に逃亡を許してしまい、国民の司法に対する信用失墜および刑事司法の根幹を揺るがしかねない事態を招いたことは重大な非行に該当する」としています。
逃亡発覚後の弘中弁護士の対応についても「話すことはないという態度も無責任極まりなく当事者意識の欠如と言える」と非難しています。
弘中弁護士らが逃亡に関与した疑いもあるとして東京弁護士会に調査を求めました。弘中弁護士は逃亡が発覚した当初、「保釈条件に違反する許されない行為だが、気持ちが理解できないかと言えばそれは別問題だ」などと話していました。
弁護士に違法行為や品位に反する行為があった場合、誰でも所属する弁護士会に懲戒を請求できます。
弁護士会は、綱紀委員会で調査した上で懲戒委員会が処分を決定します。重い順に、
1.除名
2.退会命令
3.業務停止
4.戒告
があります。
弘中弁護士は過去に東京地検特捜部などが手がけた著名事件などで弁護人を務め、「無罪請負人」の異名を持つことで知られています。
きょう16日、弘中弁護士は、ゴーン被告の弁護士を辞任しました。
日本からの脱出方法が徐々に判明
レバノンでの記者会見では、日本からの脱出方法は全く話さなかったゴーン被告ですが、その後、あちこちから情報が入り始めました。
彼には日本からの脱出チームが存在し、それも短期間のうちに計画を練ったそうです。ゴーン被告は、全ての行動を素早くするのが信条だそうで、計画からかなり短期間のうちに実行に移されたそうです。
また、日本からの脱出には、大型楽器の入るケースに空気穴を開けて、彼はその中に入って脱出したそうですが、本人曰く「70%位の成功率」を見込んでいたそうです。
日本の税関は、プライベートジェットなどプライベートな乗り物についてはかなり寛容で、大型楽器の入るケースも大きすぎたためレントゲン検査をすることもなくそのままプライベートジェットに積み込まれたそうです。
こうして彼は無事(?)日本からの脱出に成功しました。