国民年金保険料は月16,410円(令和元年度)の定額納付です。
未納にしていると、老齢年金や障害年金、遺族年金を受け取れないこともあります。支払いが大変なときは、申請して承認されれば保険料が免除されます。
目次
保険料免除となる所得の目安
本人、世帯主、配偶者の所得によって、全額免除から4分の1の免除まであります。
(カッコ内は給与収入)
単身世帯 2人世帯 4人世帯
(夫婦のみ) (夫婦と子供2人)
全額免除 57万円 92万円 162万円
(122万円) (157万円) (257万円)
3/4免除 93万円 142万円 230万円
(158万円) (229万円) (354万円)
半額免除 141万円 195万円 282万円
(227万円) (304万円) (420万円)
1/4免除 189万円 247万円 335万円
(296万円) (376万円) (486万円)
※本人だけでなく世帯主・配偶者も免除基準以下であること。
未納者の94%が免除対象の可能性
厚生労働省によると、未納者約200万人のうち、94%の人が保険料免除の対象となる可能性があります。(2016年時点)
保険料の免除期間は年金の受給資格期間(10年)に導入されます。保険料を全額納付したときに比べ、将来受け取る年金額はもちろん減ります。
しかし、2分の1の国庫負担がつくため、全額免除の期間でも2分の1、4分の1免除の期間でも8分の7が年金額に反映します。
※ここまでは「しんぶん赤旗」日曜版の記事を参考。
公的年金、75歳から受け取り可能に 改革法案を閣議決定
政府は3日、年金制度の改革法案を閣議決定しました。
高齢者の就業を促進するため、75歳から年金を受け取り始めると毎月の年金額が増える仕組みに見直すとしています。
政府の案では、個人型確定拠出年金(イデコ)など私的年金に長く加入できるようにする改革も盛り込みました。少子高齢化や長寿化に対応した年金制度に改める狙いがあります。
国民年金法などの改正案は、全国民が加入する公的年金制度と個人が任意で入る私的年金制度の2つの見直しが柱です。政府は今国会での法案成立を目指し、一部を除いて2022年4月の施行を予定しています。
政府案の公的年金制度は働く高齢者の増加を踏まえ、年金を受け取る仕組みを変えようとしています。
現状、60~70歳の間で選ぶ年金の受給開始年齢を60~75歳に広げ、受け取り開始年齢を1カ月遅らせるごとに年間の受給額は0.7%増える仕組みにします。75歳まで遅らせると終身で年84%増になるとのことです。
働くほど年金が減る仕組みが高齢期の就業意欲を阻害しているとの指摘を受け、働く高齢者に年金の一部を減らす「在職老齢年金」も同時に見直します。
60~64歳の場合、現行では賃金と年金の合計額が月28万円を超えると年金が減っていますが、この基準を月47万円に引き上げます。
厚生年金保険料を納める支え手も増やす考え
現状は厚生年金に加入するには「従業員501人以上の企業」、「労働時間は週20時間以上」、「賃金は月8.8万円以上」という条件を満たす必要があります。
従業数の基準を見直し、22年10月からは「101人以上」、24年10月からは「51人以上」と中小企業で働くパートに対象を広げようとしています。厚生労働省の試算では新たに65万人が厚生年金に加入できるようになる見通しだそうです。
私的年金制度の改革では、個人型確定拠出年金(イデコ)を見直します。企業型確定拠出年金に加入する会社員であっても20歳以上であれば全員がイデコに入れるようにします。
加入できる年齢も60歳未満から最長で65歳未満まで伸ばします。イデコは税制優遇がある年金制度で、老後資産を若いうちから積み立てることを後押しする目的があります。
厚労省は昨夏に公表した公的年金の財政見通し(財政検証)で、経済が順調に推移しても将来の給付水準が現在より2割弱低下するとの結果を示しました。
長寿化で年金をもらえる期間が延びる一方で、少子化で保険料を納める支え手が減っているためだと説明しています。ただ、今回の改革法案には年金抑制の強化策など抜本的な見直しは見送りました。
※日経3/3電子版参考
今度の改革とやらも、年金の受け取り年齢をどんどん引き上げ、政府の財政負担を少なくする方向のようですが、『年金をもらい始めて気がついたらもう残りの人生は楽しむ余裕などない』、そんな気がしてならないのは私だけでしょうか。