地球の温暖化は今後どうなる?

気候 災害
地球の温暖化は今後どうなる?
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 私たちが考えているよりも、気候変動の実態ははるかに深刻なようです。進行がゆっくりだとか、どこかの大統領のように気候変動は起きていないと言われることもありますが、それらは思いこみにすぎないのではないでしょうか。

 

 まさに今、地球の運命を脅かし、人間の生命と文明の維持を危うくさせているのは、過去のどの時代でもなく、いま生きている私たちの仕業ということです。それも先進国と言われる地域に住んできた人たちの仕業といわなければなりません。

 
 

 
 

 気候変動に起因する難民は2050年までに2億人 

 

 2011年に始まったシリア内戦では、約100万人の難民がヨーロッパに流入したとされていますが、それも遠因は気候変動による干ばつでした。

 

 多くの難民はパニックを引き起こしました。サハラ以南のアフリカ、ラテンアメリカ、南アジアからも難民が発生し、2050年には1億4000万人を超えると世界銀行は予測しています。「シリア危機」でヨーロッパにもたらされた人数の100倍以上にもなる予測です。

 

 国連の予測はさらに厳しく、気候変動に起因する難民は2050年までに2億人になるといっています。「貧困にあえぐ10億人以上が、戦うか逃げるかの選択を迫られる」と国連は最悪のシナリオを描いています。

 

 京都議定書が採択された1997年のころには、地球の気温上昇が2℃を超えると、深刻な事態になると考えられていました。大都市が洪水に見舞われ、干ばつと熱波、それにハリケーンやモンスーンなど、以前は「自然災害」だったものが、日常的な「悪天候」になるといわれました。

 

 しかし、京都議定書から20年以上たっているにもかかわらず、目標は実質的に何ひとつ達成できていません。法整備やグリーンエネルギーの導入が進み、各種活動もさかんになってきてはいますが、二酸化炭素の排出量はむしろ増えている状態なのです。

 

 2016年、パリ協定は平均気温の上昇幅を2℃までと定めました。しかし、それから数年たち、目標に近づいている先進国は皆無なのです。2℃目標はいつの間にか望ましいシナリオへとすりかわってしまっています。さらには、気温が上昇している状況は巧みに世の中から隠されているのです。

 

 気候変動の懸念は半世紀前から指摘されていて、楽観的な意見がことごとくはずれていることを考えると、むしろ最悪の予測こそ指針とすべきではないでしょうか。

 
 

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 気温上昇2℃で何が起きるか 

 

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、次の報告が2022年の予定だが、現時点で最新の報告は、パリ協定で決定しておきながらいまだ実現していない対応を直ちに実行しないと、今世紀末までに平均気温は約3.2℃上昇すると警告しています。

 

 平均気温が3.2℃上昇すると氷床の融解がおこり、マイアミやダッカ、上海や香港など世界の100都市以上が水に浸かるだろうと予想されます。

 

 いくつかの研究によると、その分かれ目は上昇幅2℃だと指摘されているのです。ただし二酸化炭素の増加を直ちに止めることができたとしても、今世紀末には平均気温が2℃は高くなる予想です。

 地球の平均気温が2℃上昇すると、いったいどういうことになるのか。 

 

◆地表部を覆う氷床の消失が始まる。
 
◆4億人が水不足に見舞われる。
 
◆赤道帯に位置する大都市は居住に適さなくなる。
 
◆北半球でも夏の熱波で数千人単位の死者が出る。
 
◆インドでは熱波の発生率が32倍になり、期間も5倍に延びて、影響を受ける人の数が93倍に増える。

 

 と、これでも「最良の」シナリオなのだそうです。

 

 では、上昇幅が3℃だと、どうなるだろう? 
 
◆南ヨーロッパでは旱魃が慢性化し、中央アメリカ、カリブ海ではそれぞれ、平均1年7カ月、1年9カ月も続く。アフリカ北部にいたっては期間が5年にもなる。

 
◆森林火災で焼失する面積は、地中海で2倍、アメリカで6倍以上になる。
 

など、恐ろしいばかりの地球になってしまい、人類はもはや地球に住むことが出来なくなるかも知れません。人類だけではありません、地球上の生き物は生きていけなくなるかも知れません。

 

 いまの気象モデルは2100年までの温暖化を半分程度に過小評価しているかもしれないと国連は示唆し警鐘を鳴らしています。

 

 現実的には、私たちは2100年までに平均気温が4℃以上上昇する未来に向かって突進中なのです。そうなると、アフリカ大陸、オーストラリアとアメリカ、南米のパタゴニアより北、アジアのシベリアより南は、高温と砂漠化、洪水で住めなくなるという予測もあります。

 

 二酸化炭素の排出を大幅に削減しても気温が4~5℃は上がるとなると、地球全体が生命の住めなくなる星になりかねません。

 

 研究者はそれを「ホットハウス・アース」と呼んでいます。 

 

 私たちの地球は、たった1世代で気候崩壊が起きようとしているのですから、次の世代でそれをどんなことがあっても食い止めなくてはなりません。 

 

 次の世代―――それは私たちなのです。 

 
 
 

 最後に言っておきたいことがあります。二酸化炭素の排出は地球を滅ぼしますが、だからといって原発にその代わりをさせることは出来ません。 

 

 あの大震災でメルトダウンした日本の原発の処理はほとんどといっていいほど進んでいません。また、原発で使用した核燃料の廃棄はどうするのでしょうか。何万年もかかる廃棄を地震国である日本で到底処理できるものではありません。 

 

 原発は新たな危険を抱え込むものです。ですから原発で代替えが出来るものではないということを私たちは肝に銘じなければなりません。 

 
 

※東洋経済オンラインの記事を元にし、加筆もしました。

 
 
 

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