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地震が切迫している千島海溝地震
日本は地震列島と呼ばれるくらい地震の多い国ですが、南海トラフ地震のほかにもさらに、地震学者から東日本大震災クラスの地震が切迫しているところがあるというのです。
その「切迫している」と地震学者から警戒されている地域は、産業技術総合研究所の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長の話では、
「警戒されているのは、北海道東部(太平洋沿岸)を襲う千島海溝で起きる地震『千島海溝地震』です。
この土地に古くから住むアイヌ民族は、文字で歴史を伝承する文化を持っておらず、過去の巨大地震についてわからないことが多かったのですが、地層調査の結果、平均400~500年の間隔で巨大地震が発生していたことがわかりました。
前回の巨大地震は1600年代前半で、発生から約400年が経過しています。次はいつ起きてもおかしくない時期に入っています。」
と、話されています。
地震前には地盤が沈降する
この地域で気になるデータもあるのです。
根室市にある検潮所で年間の平均潮位を調べると、1年で1センチのペースで沈降しています。これは、日本の他の潮位観測所と比べて早いスピードです。
「地震前に地盤が沈降することは以前から知られていましたが、近年では巨大地震が近くなるにつれて地盤が下がるペースが早くなると考えられています。
東日本大震災の前には、岩手県釜石市でも年間約1センチのペースで地盤が下がっていました。日本の他の地域で、北海道東部ほど地盤が急速に下がっているところはありません」(宍倉氏)
これまで予想されていた巨大地震といえば、先に紹介した東海から九州地方太平洋側の南海トラフのエリアだとされてきました。
千島海溝地震はすでに平均的な地震の発生間隔を過ぎている
これは何を意味するかと言えば、すでに平均的な地震の発生間隔を過ぎているので、巨大地震の発生が切迫している可能性が高いことを意味します。
政府の地震調査委員会も、2017年からは千島海溝沿いの巨大地震について「発生が切迫している可能性が高い」と分析し、今後30年以内の発生確率を最大40%としています。
※AERA dotを参考にしました。